血液中のブドウ糖の量がコントロールできない状態が続く糖尿病は、原因が様々であることから誤解されることも少なくありません。また糖尿病を治療せずに放置しておくことは、合併症を引き起こすだけでなく心疾患や脳疾患の原因にもなりかねません。そこで糖尿病にならないためにも、知っておきたい原因について詳しくご紹介します。

糖尿病の種類別の原因

糖尿病は大きく分けて1型糖尿病と2型糖尿病の2つに分けられます。さらにこの2つに当てはまらないさらに2種類の糖尿病もあります。そこでまずは糖尿病が起きる原因について見ていきましょう。

1型糖尿病の原因

インスリンを作る膵臓に存在するβ細胞が自己免疫反応によって破壊されることで、インスリンの量が減少し糖尿病になるのが1型糖尿病です。自己免疫反応がなぜ起きるのかははっきりとしたことが分かっていません。ただ、患者は10万人あたり1~2人と少なく、発症するのは10代の若者に多いのが特徴です。インスリンを作り出す機能が正常に働かないことが原因であるため、インスリンを補充することが必要となります。また自己免疫反応以外に、原因が不明ながら突発的に発症することもあります。

2型糖尿病の原因

両親や親戚に糖尿病の人がいるなど、遺伝的な要因に加え、環境の要因が組み合わさって発症するのが2型糖尿病です。遺伝的な要因でインスリンを作る機能が元々低下していることに加え、インスリンの働きを低下させる運動不足、食べ過ぎといった要因が原因となります。お酒の飲み過ぎやストレスも要因です。それらの要因により、膵臓の働きが低下したりインスリンの働きを阻害する物質が体にたまることで、糖尿病を発症します。

その他の原因

肝臓や膵臓の病気によるもの、感染症など他の病気が要因となって糖尿病を発症することがあります。また遺伝子異常が糖尿病を引き起こすこともあります。さらに薬剤が原因で糖尿病になることもあります。これは他の病気の治療で投与した薬剤により、血糖値が上昇することが原因とされています。

妊娠糖尿病によるもの

妊娠した女性がなる妊娠糖尿病があります。これは胎盤から分泌されるホルモンによりインスリンが正常に働かなくなるものです。妊娠前に糖尿病がある場合と、妊娠中に糖尿病が判明する場合とがあり、血糖値が高いものの糖尿病と診断されないこともあります。妊娠中に糖尿病を発症した場合生まれてくる赤ちゃんに影響を及ぼすこともあります。

1型糖尿病と2型糖尿病それぞれに多い特徴

糖尿病は肥満の人に多いイメージを持たれがちですが、1型糖尿病は子供や10~20代の若者に多い傾向があります。また痩せている人や正常な体型の人がほとんどです。一方2型糖尿病の方は、肥満傾向にあります。また発症する年代も35歳以上に多い傾向にあります。2型糖尿病は自覚症状がほぼ出ないため、症状が進行してから分かることが多いのも特徴です。ただ、1型糖尿病でも急速に症状が進行するタイプもありますが、発症するまで時間がかかるタイプもあるため、2型糖尿病と判断がつきにくいこともあります。

2型糖尿病の原因にはストレスも大きく影響する

遺伝的要因も原因となる2型糖尿病は、食生活や運動不足だけでなくストレスも大きな影響を与えると考えられています。特に近年糖尿病の原因として注目されているのがストレスです。精神的なストレスだけでなく、肉体的なストレスも蓄積することで糖尿病の発症に影響する可能性があります。治療にあたっては、あらゆる原因を取り除くことが必要となるため、進行を抑えるためにも根気強く糖尿病と付き合っていくことも考えていくことが求められます。