24時間の営業のコンビニや店が当たり前になっている日本ですが、そういった環境などから睡眠時間が少なくなり、睡眠時間が短くなる人が増えてきています。また夜勤や不規則な勤務時間などから上手く寝ることができない不眠症の人も増えています。近年睡眠不足の人にはメタボや糖尿病になるリスクが高くなることが分かっており、睡眠を見直すことがこれらの病気の予防になると考えられています。そこでなぜ不眠症が糖尿病のリスクを高めるのか、詳しくご紹介します。

不眠症は糖尿病に大きな影響を及ぼす

不眠症は糖尿病に影響があることが明らかになっています。糖尿病には1型と2型とがありますが、そのどちらにも不眠症は影響を与えます。

不眠症は糖尿病の合併症としてうつ病を引き起こすことがある

1型糖尿病は、生活習慣は関係なくインスリンの分泌量が元々少なかったり、インスリンが正常に働かないといったことから治療が必要となる糖尿病です。小児期にかかる人が多く、30歳までの間で糖尿病になる人がほとんどですが、急性膵臓炎で膵臓の機能が破壊され、1型糖尿病になる人もいます。この場合、40~50代の人でも糖尿病になるとされています。また日本人で糖尿病の患者の9割を占める2型糖尿病は、生活習慣や遺伝が原因で、血糖値が下がらない状態が長く続き、血管に影響を与えます。糖尿病は合併症が体に及ぼす影響が大きく、そのために血糖コントロールが必要となりますが、その合併症の中にうつ病があります。元々睡眠不足や不眠症の人は、糖尿病になるとうつ病を併発しやすく、血糖コントロールに支障が出るためなかなか治療が進まないという問題が発生し、結果なかなか糖尿病が治らないということにもなりかねません。

不眠症は睡眠時無呼吸症候群の可能性もある

寝ているはずなのに疲れが取れない、また日中眠気に襲われる場合は睡眠時無呼吸症候群の可能性もあります。これは寝ている間に呼吸が止まってしまう病気で、寝ている間も交感神経が働いている状態であることから、高血圧などを引き起こします。睡眠時無呼吸症候群と不眠症が併発していることもあるため、血糖コントロールのためにもこちらの治療も併せてする必要が出てきます。

不眠症が糖尿病の原因ではないが睡眠不足はリスクが多い

不眠症だからといって糖尿病になるというわけではありません。ですが睡眠時間が短い場合、日中眠くなって居眠りをしてしまい、結果夜寝るのが遅くなってしまいます。そうすると夜遅くに食事をすることになり、結果肥満につながってしまうのです。そのため肥満のリスクが高くなり糖尿病のリスクも高くなってしまいます。糖尿病の治療には食事の改善や運動療法が必須ですが、規則正しい生活も重要です。しっかりと睡眠を取ることで交感神経と副交感神経を切り替えることが血糖コントロールにつながるのです。

睡眠中の低血糖への不安が不眠症を招くこともある

糖尿病になり、治療をしている人が気をつけなければならないのが低血糖のリスクです。薬によって血糖コントロールをしている場合、服薬の時間がしっかり間があいていなかったり、空腹状態で入浴したりした場合に急激に血糖値が下がる低血糖の状態になることがあります。糖尿病の治療中に低血糖になると、意識を失うなど命に関わる事態になることもあります。早急に対処すれば問題はないのですが、「また低血糖になるかもしれない」「寝ている間に低血糖になるかもしれない」といった不安から不眠症になることもあります。そうなると逆に交感神経が働いてしまい、血糖コントロールに悪影響を及ぼします。不安がある場合は睡眠薬を処方してもらえることもあるので、不眠症になる前に医師に相談するようにしましょう。