日本人の死因は、ガン・心疾患、そして脳血管疾患です。それらを引き起こす原因としてあげられるのが生活習慣病と呼ばれる毎日の生活によって引き起こされる一連の病気です。その一つである糖尿病は、肥満など生活の乱れからなりやすいというイメージで見られがちです。もちろん食生活など不健康な要因が糖尿病を引き起こす要因になることは間違いではないのですが、糖尿病に関して間違った思い込みをしている人も少なくありません。そこで今記事では糖尿病についての正しい情報を詳しくご紹介します。

糖尿病は血糖値が高い状態が続く病気

私たちは食事で日々の活動に必要な栄養素を摂取しています。その中の一つで、エネルギーの素となるのがブドウ糖、グルコースとも呼ばれる糖分です。ご飯などの炭水化物がブドウ糖になり血液の中に入ることで、体中に届けられ、そこでエネルギーに変換されます。この血液中のブドウ糖の濃度が血糖値で、健康な状態であれば、空腹の時には低く、食事をすると一時的に上昇しますが緩やかに下がり正常値に戻ります。糖尿病は、この上がり下がりが大きな幅で変動することが続くことで進行します。

糖尿病の2つのタイプ

血糖値は健康な体であれば、膵臓から分泌されるインスリンと呼ばれるホルモンでコントロールされます。インスリンは血液中を流れているブドウ糖を体内に取り込んだり蓄えたりする働きを助けています。ただ、何らかの原因でこのインスリンの分泌量が減ってしまったり、インスリンが正常に働かなくなったりすると血液中のブドウ糖が濃くなり、いわゆる血糖値が高い状態が続き様々な病気を引き起こすことになります。ただ、この糖尿病には大きく分けて2つの種類があり、それぞれ糖尿病になる原因が違います。

1型糖尿病

1型糖尿病とは、自己免疫反応やウイルス感染が原因でなる糖尿病です。通常であれば自分の体を守るために働く免疫が、何らかの原因で膵臓でインスリンを作り出すβ細胞を攻撃しその機能を壊してしまいます。また原因は不明ですが、自分でインスリンを作ることができなくなってしまうタイプの糖尿病もあります。2型糖尿病と違い、発症率が低いのが特徴です。近年遺伝子との関連が発見されており、原因究明の研究が進められています。

2型糖尿病

日本における糖尿病患者のうち、95%が2型糖尿病といわれています。2型糖尿病には、遺伝子的な要因と環境による要因が組み合わさることが原因だと考えられています。血縁者で糖尿病になっている、もしくはなった人がいる場合、糖尿病になりやすいとされています。ただ、それだけでは発症することは少なく、食生活や運動不足、またストレスなど日常生活における原因が組み合わさることで糖尿病が発症しやすくなります。そのため「生活習慣病」の一つとされ、日常生活の改善で糖尿病の発症を抑える、また進行を食い止める必要があるとされています。ただし2型糖尿病であっても、元々膵臓でインスリンを作り出す量が少ないために糖尿病になってしまう人や、血糖値が高いまま治療をせず悪化してしまう人など様々です。そういった意味では、1型糖尿病よりも原因や治療法が数多く存在しているともいえます。

糖尿病と上手く付き合って生きることが必要

糖尿病はなってしまったら一生治療が必要な病気です。ただし怖いのは糖尿病が引き起こす様々な合併症です。目の機能が衰えたり、指先が壊死してしまうといった恐ろしい合併症を進行させないためにも、血糖値のコントロールを日々心がけることが必要です。糖尿病をただ恐れるのではなく、正しく理解し健康な生活を送ることができれば健康な人と変わらず生活は可能です。ぜひ糖尿病クリニックガイドを参考に、まずは自分に合った病院を見つけ早めに治療を受けることが必要です。