糖尿病は一度かかってしまうと治ることのない「慢性疾患」です。また日本人は糖尿病にかかるリスクが高いため、予備軍を含めると5人に1人は糖尿病であるといわれています。そこで糖尿病になっている人、また予備軍の人を含め、日常生活からしたい予防方法を詳しくご紹介します。

日本人の糖尿病患者や予備軍が増えている実情

糖尿病は「肥満体質の人」「インスリンが正常に分泌されない人」だけに起きる病気ではありません。インスリンの分泌が正常にできない1型糖尿病の患者は10代の患者が多いとされていますが、遺伝や生活習慣などの要因でなる2型糖尿病は糖尿病患者の95%にも登ります。さらにインスリンの分泌量が元々日本人は少ないことに加え、食生活の欧米化などもあり、日本人は糖尿病になりやすい傾向にあります。また、糖尿病は30代以降の男性に多い病気と考えられていましたが、近年は20代の若い世代や痩せている女性でもかかる人が増えています。

糖尿病を予防するためにすぐ始めたい3つのこと

糖尿病の中でも多くの人がかかる可能性がある2型糖尿病は、両親や血縁者に糖尿病患者がいてその遺伝からなる要因に加え、日常生活も大きな要因となっています。肥満だけでなく食生活の乱れ、運動不足、さらに体と心それぞれのストレスも糖尿病を引き起こす要因となっています。健康診断などで「血糖値が高い」といわれたら、すぐに予防を始めれば糖尿病になるリスクを回避することは可能です。中でもすぐしたいのが「食事」と「運動」の見直しです。詳しく見ていきましょう。

食事の見直し

糖尿病の原因となるのが血糖値です。ご飯やパンなどに含まれる糖質は、体のエネルギー源となるものです。食事をした時には一時的に血糖値が上がりますが、膵臓から分泌されるインスリンによって血糖値を下げようとする働きが体で起こります。ただ、これが頻繁に起きるとインスリンの分泌が足りなくなったり、常に血糖値が高いままになり血管に負担をかけることになります。ただ、糖尿病によい食べ物や飲み物、悪い食べ物や飲み物という制限はありません。もちろんアルコールは飲み過ぎれば内臓に負担をかけますし、間食として食べることの多いお菓子やジュースは少量でも血糖値を上げるため摂取しない方がいいとされています。

食事で気をつけたいこと

血糖値が上がりやすいのはご飯やパンなどの炭水化物、ついでタンパク質の肉や魚です。偏った食べ方はもちろん厳禁ですが、食べ方に注意するだけでも血糖値が急激に上がるのを防ぐことができます。まずは野菜を食べてから汁物、タンパク質、最後に炭水化物を食べるようにしましょう。

運動の見直し

運動というと激しく体を動かすことを考えがちですが、実は週に1度だけ運動をしてもそれほど効果はありません。それよりも毎日体を動かすこと、続けられる運動をするほうが効果的です。特別なことは必要ありません。ウォーキングやマラソンなど、自分が続けられそうなことから始めてもいいですし、難しい場合は今まで車や自転車に乗って移動していた場所まで歩くようにするだけでもかまいません。体を毎日動かす意識をし、慣れてきたら運動量を増やしていくことで、糖尿病になりにくい体を作ることができます。

ストレスをなくす

糖尿病の原因には、ストレスも大きく影響することが分かっています。睡眠不足や精神的身体的なストレスも積み重なるとストレス反応で血糖値が上昇してしまうためです。またアルコールや喫煙もストレス反応を引き起こします。糖尿病にならないためには、ストレス解消の手段になりやすい飲酒や喫煙を制限することも必要です。