糖尿病は合併症を引き起こし、将来的には命に関わる病気です。そのため普段の生活から改善することで、糖尿病を含め生活習慣病の予防が可能となります。そういった中、野菜中心の食事が糖尿病の予防につながるとして注目を集めています。そこで、糖尿病対策としての菜食にはどういった影響が体にあるのか詳しくご紹介します。

菜食中心の食事を摂る人は血圧が低下することが分かっている

糖尿病は血糖値が常に高く、血管に影響を与えることで様々な病気を引き起こす原因となる疾患です。偏った食事や運動不足、ストレスや飲酒、喫煙など様々な要因により糖尿病は引き起こされます。糖尿病が引き起こす疾患の中でも、特に問題とされるのが高血圧です。高血圧は自覚症状がほとんどありませんが、進行すると血管が硬くなり動脈硬化や心筋梗塞といった重大な病気につながります。血管の病気ともいえる糖尿病が引き起こす高血圧は、野菜を中心とした食事をしているいわゆる「菜食主義」と呼ばれる人たちにはほぼなく、また普段血圧の高い人が菜食中心の食事をすることで血圧が下がることが研究で明らかになっています。

菜食主義とは植物性食品を中心とした食事をすること

野菜中心の食事というと、味気ないと感じる人もいるかもしれませんが、菜食主義といってもその食事の傾向は様々です。

ビーガン・ベジタリアン

菜食主義の中でも、動物性の食品を一切食べないのが「ビーガン」と呼ばれる菜食主義です。穀物や豆、ナッツといった植物性の食品でタンパク質などを補います。

ラクト・オボ・ベジタリアン

タンパク質を野菜以外の乳製品や卵で摂取するのがラクト・オボ・ベジタリアンです。

ペスコ・ベジタリアン

肉ではなく魚肉を食べる菜食主義のことをペスコ・ベジタリアンといいます。

セミ・ベジタリアン

魚肉に加え、鶏肉も食べる菜食主義のことをセミ・ベジタリアンといいます。

血圧を上げる大きな原因は肉に含まれるコレステロール

糖尿病の原因となる糖は、肉よりもパンやご飯、麺といった炭水化物に多く含まれています。そのため糖尿病になってしまった場合、これらの炭水化物の摂取を減らすことが必要とされます。ただ、高血圧の原因となるコレステロールは動物性の食品に多く含まれており、この摂取を控えることも糖尿病の治療に必須です。ただ、全くタンパク質や脂質を摂らないことは、食事のバランスや体調を整えるためにはおすすめできません。魚には不飽和脂肪酸が含まれています。血圧を下げたり、血液中の悪玉コレステロールを減らしてくれる働きがあります。つまりできるかぎり肉を食べることを控え、かわりに魚や野菜を摂取することが糖尿病を防ぐためには有効なのです。

野菜を食べることだけが糖尿病対策にならないことにも注意

野菜を中心とした菜食が糖尿病対策、加えて血管の健康を守ることは様々な研究により明らかです。ただ、今までの食生活をリセットし菜食中心の食事に切り替えることは簡単ではありません。また食事だけでは糖尿病対策にならないことにも注意が必要です。

菜食中心の食事にする場合飽きないようバリエーションを増やすことも必要

野菜を使った料理は、バリエーションを工夫しないと単調になりがちで飽きてしまうこともあります。長く食べ続けられるように工夫をすることも必要です。

食事だけでなく運動も取り入れることが必要

菜食の生活だけでは糖尿病を完全に予防することはできません。普段から運動の習慣を取り入れるなどして、トータルで生活改善をするようにしましょう。また定期的に健康診断を受けるなどして、糖尿病にならないよう、また早めに予兆を見つけることも大切です。