糖尿病、もしくはその予備軍は、4人に1人の割合といわれています。厚生労働省が行っている「国民健康・栄養調査」(平成30年)によると、「糖尿病が強く疑われる者」(今までに糖尿病の指摘を受けたり治療している人)の割合は、調査対象となった6,554人中男性 18.7%、女性 9.3%であり、調査がはじまった平成21年からそれほど大きく増えてはいません。ただ、糖尿病が強く疑われる人の割合は、40代50代と年齢を重ねた人ほど増え、女性よりも男性のほうが多い傾向にあります。ただ、糖尿病は自覚症状がほとんどなく、進行すると合併症などを引き起こす恐ろしい病気です。早めの発見と治療をすることが必須であり、そのためにも定期的な検査をしておく必要があります。そこで糖尿病の検査にはどれぐらいの費用が必要なのか、その相場と検査方法について詳しくご紹介します。
問題となる糖尿病は4タイプある
糖尿病は血液中に含まれる糖が多い「高血糖」の状態が続き、血管を傷つけることで様々な合併症を引き起こします。一般的には肥満で40代以降の中高年の男性に多い傾向があります。ただ、糖尿病は日本人に多い傾向にあり、男性だけではなく女性や若い世代にも患者が増えてきています。さらに糖尿病は以下の4タイプに分類されます。検査を受けるかどうか結論を出す前に、自分が以下のタイプに当てはまるかどうかチェックしましょう。
1型糖尿病
血糖値(血液中の糖分)をコントロールするインスリンの分泌量が少なかったり、インスリンを分泌する膵臓や指示を送る機能になんらかの問題が生じて発症します。小児期にかかる人がほとんどですが、30歳までの間にかかる人もいます。体質の問題であるため、インスリン注射が必要となります。肥満体型の人だけでなく痩せている人でもかかります。
2型糖尿病
日本人の糖尿病患者のうち、9割以上は2型糖尿病といわれています。インスリンの分泌の低下や機能が正常に働かないといったことから糖尿病を発症します。また両親が糖尿病であるといった遺伝的な要素も関係しており、いくつもの要因が組み合わさって糖尿病になると考えられています。生活習慣が原因となることも多いため、肥満の人に多いと思われがちですが、メタボではない正常体型の人でも発症します。45歳以降の中高年に多く見られます。
その他の原因による糖尿病
病気の治療で処方された薬や、膵臓・肝臓などの病気、内分泌系の病気が原因で糖尿病になることがあります。また生まれつきの遺伝子異常でインスリンが分泌されないといったことが原因のこともあります。
妊娠糖尿病
妊娠中に起きる糖代謝異常で発症する糖尿病です。妊娠する前に糖尿病になっており、妊娠中に分かることもあります。この場合は妊娠糖尿病ではなく、糖尿病と分類されます。
糖尿病の検査は血液検査と尿検査で約3,000円
糖尿病の検査は、血液中の糖の濃度や尿に糖が出ていないかを調べることに加え、腹囲と医師の問診など複数の結果を組み合わせて判断します。健康診断で「糖尿病の疑い」を指摘された場合、健康診断でした検査と同じものを1ヶ月以内に再度行うことで診断します。医療費3割負担の場合、約3,000円の検査代金が必要となります。
ブドウ糖負荷試験を加えると約4,000円
健康診断で糖尿病の疑いがあり、再検査を考えている場合、血液検査や尿検査を再度受けることに加え、ブドウ糖負荷試験を受ける検査方法もあります。血液検査や尿検査は、1,2回だけでなく継続して検査を受けないと糖尿病と判断できませんが、ブドウ糖負荷試験ならすぐに糖尿病かどうかが判断できます。糖尿病はできるだけ早く治療することが重要ですので、健康診断で再検査を勧められた場合は、ブドウ糖負荷試験込みの検査を受けることをおすすめします。