糖尿病は食生活の乱れや運動不足などで発症する生活習慣病です。食事で摂取した食べ物が分解され、エネルギーの元となる糖が血液中で高濃度のまま運ばれることで、血管が傷つき詰まりやすくなり症状が進行します。また糖を分解するインスリンの分泌不足も原因とされています。元々インスリンの分泌量が少ない日本人は、糖尿病になるリスクが高いといわれています。ただ、糖尿病は治る病気ではないため、食事や運動のコントロールも必要です。そこで糖尿病になった人の進行状況や注意したい痩せ方について詳しくご紹介します。

糖尿病は太っている人だけでなく痩せている人もかかる病気

糖尿病は、太っている中年の男性がかかるというイメージを持っている人も少なくありません。ですが実際には痩せている人や女性、若い男性でもかかる人は多く、症状が進行してしまうと深刻な合併症を引き起こしてしまいます。またインスリンが正常に働かないため、糖尿病が進行すると体重が減るといった症状が出ることもあります。

糖尿病の治療をしていても体重が急激に減ることがある

血糖値が高いだけでは糖尿病とは診断されません。血液検査や尿検査で血糖値が高い場合、他にもいくつかの検査をします。空腹時だけでなく通常の生活をしている中での血糖値の変化も合わせて見ることで、糖尿病かどうかを判断します。糖尿病で一番怖いのは、糖尿病の進行による合併症です。糖尿病では血管に負担がかかり、血管が詰まったり神経に影響を及ぼします。そのため、糖尿病の治療では血糖値を下げるための投薬と、あわせて食事制限や運動による生活改善を行います。ただ、血糖値を下げる薬は、人によっては効き過ぎることもあります。またインスリン注射をしてもうまく体内で働かないこともあります。そういった場合に痩せてしまうのです。

糖尿病で体重が減るのは症状が進行しているため

糖尿病では食事制限や運動療法などで、体重を適正に戻すことが必須となります。ただ、標準体重以上に痩せてしまう場合は注意が必要です。体内に必要なブドウ糖が蓄積されず、筋肉など別の部分を使ってエネルギーを作り出している可能性があるためです。これは糖を分解するインスリンの働きが正常に働いておらず、糖が体外に排出されていることも考えられます。そのままにしておくと合併症を引き起こしたり、意識障害に陥ることもあります。極端に食事を減らしていないのに急激に体重が減るという場合には、早急に診察を受けるようにしましょう。

痩せすぎる場合には薬の見直しも必要

血糖のコントロールは、基本的には食事や運動で行いますが、それでも血糖値が下がらない場合は薬物療法が使われます。糖尿病では薬による治療は多く行われており、実際にそれでコントロールできている人も多くいます。ただ、体質などには個人差があるため、薬が効き過ぎる、またうまく効かないといったこともあります。体重が急激に減ると、今度は糖不足から意識を失ったりすることもあります。そういった場合には薬を変える必要があります。

急激に痩せるのは糖尿病の末期症状なのか

糖尿病で急に痩せると余命がわずか、と考える人も少なくありません。ただ糖尿病の進行や合併症は一人一人違いがあるため、急激に痩せたからといって寿命が近いとはいいきれません。ただ急激に痩せ始めた場合、糖尿病が進行している可能性があります。それ以上悪化させないためにも、現在の治療方針を見直すなどして、体重を適正に保つことが必要です。糖尿病になってしまった場合、今以上に悪化させないこと・また適正体重を把握しておくことが重要だと考えておきましょう。